始めに
・FIFAサッカーワールドカップは、100年近い歴史を持ち、オリンピックと並んで最も注目を集める世界的なスポーツの祭典です。
・4年に1度開かれる大会では、世界中の厳しい予選を勝ち抜いた各国の代表チームが、黄金のトロフィーを掲げるために戦います。
・日本でも多くの注目が集まる大会ですが、ワールドカップの過去の歴史については、あまり詳しくないという方も多いと思います。
・そこで今回はワールドカップの歴史について、大会の創設から現在まで、簡単に振り返ってみたいと思います。
概要
・基本情報としてワールドカップは、FIFAという組織が管轄する各国の代表チームによるサッカーの国際大会です。
・FIFAとは「football international federation association」の略であり、日本語で国際サッカー連盟のことを表しています。
・FIFAは世界中のサッカー協会が加盟する巨大な組織であり、サッカーの世界において絶大な権限を有しています。
・当然、日本サッカー連盟(JFA)も加入しています。
・実はワールドカップと名の付く大会は他にもあり、他の競技の大会と区別するために、サッカーのワールドカップの正式名称はFIFAワールドカップとなっています。
歴史
大会の始まり
・記念すべき1回目の大会は、1930年に南米のウルグアイで開催されました。
・現在でこそワールドカップという呼称が広まり、幅広く使われていますが、当時はジュール・リメカップと呼ばれていました。
・「ジュール・リメ」とはワールドカップの創設者であり、当時のFIFAの会長を務めていた人物です。
・「ジュール・リメ会長」が開催した大会だからジュール・リメカップということですね。
・ちなみに当時はFIFAもお金がなかったので、優勝チームに送られるトロフィーもリメ会長が自分で費用を出して製作したそうです。
・今では世界中の国が参加する大会ですが、当初の大会の参加国はたった13カ国でした。
・参加国は以下の国々です。
《ウルグアイ・アルゼンチン・アメリカ・ユーゴスラビア・チリ・ブラジル・フランス・ルーマニア・パラグアイ・ペルー・ベルギー・ボリビア・メキシコ》
・サッカー発祥の国とされるイングランドを含む英国の4カ国は、当時はFIFAには加盟しておらず参加を見送っています。
・この辺りのことは詳しく説明すると長くなるので、他の記事で改めて取り上げたいと思います。
・更に開催国が南米のウルグアイであったことも大きな影響がありました。
・移動の距離がそれほどでもない中南米の国はともかく、欧州の国からすれば地理的に遠い南米での開催に各国が難色を示すのは当たり前のことだったと思います。
・現在のように飛行機で簡単に行ける時代ではありませんし、旅費や宿泊費も馬鹿にはなりません。
・各国のサッカー協会もそれほどお金に余裕があるわけではありませんでした。
・欧州の代表チームが次々と大会への参加を辞退したことで、一時は大会の開催すら危ぶまれましたが、その際に尽力したのが他ならぬリメ会長でした。
・会長の母国であったフランスを始め、いくつもの国を訪ねて、懸命な説得を繰り返しながら何とか4カ国の参加を取り付けました。
・何とか開催にこぎつけた大会では、開催国であるウルグアイが地の利を生かして見事な優勝を果たしました。
・最初の大会が成功を収めたことでその後も大会は継続することになります。
大会の発展
・2回目の大会は欧州であるイタリアで行われ、ジュール・リメカップは欧州でも注目を集めることになりました。
・その後、戦争での中断を経て、1950年に再開された大会は徐々に参加国も増えて規模も大きくなっていきます。
・この頃になると、サッカーの発祥国とされた英国や、政治的な理由から大会に難色を示していた東側の国々も参加を表明するようになりました。
・リメ会長は1954年の大会を最後に会長を退きましたが、大会はその後も継続していくことになります。
・やがて大会の名もワールドカップへと変わり、大会の方式も時代に合わせて変化していきます。
・1982年のスペイン大会からは、大会に参加する参加国の枠が24カ国になり、1998年には36カ国にまで増加しました。
・現在では予選から含めると、実に200を超える国のナショナルチームが参加しています。
現在
・20世紀最後の大会となった1998年の大会では、「ジュール・リメ会長」の母国であるフランスで開催され、この大会で日本代表も初めて本大会に出場をしました。
・更に2002年には共同開催ですが、日本で大会も開催されました。
・当時は大きな盛り上がりがあったので覚えている方も多いのではないでしょうか。
・2022年には初の中東開催となるカタールでの開催が予定されており、2026年にはアメリカとメキシコとカナダが共同で大会を開催することが決定しています。
・更に大会の節目となる100年目の年には、最初の開催国であったウルグアイと隣国であるアルゼンチンでの開催が提案されているそうです。
・今後も更なる発展を続けるワールドカップから目が離せませんね。
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