世界最大の戦術リーグ カルチョの国のセリエAについて解説します

記事

始めに

セリエAはイタリアのプロサッカーリーグの最上位に位置するトップリーグを表しています。

・数あるヨーロッパの主要なサッカーリーグの中でも特に長い歴史と伝統を持つリーグの1つであり、サッカーのプロリーグといえば、イタリアのセリエAを思い浮かべるという方も多いのではないでしょうか。

・今回はそんな日本でも人気のあるイタリアのセリエAを特集したいと思います。

 

 

概要

セリエAの正式名称はスポンサーの名を冠した「セリエA TIMであり、呼び方はセリエアーというのが、日本語での近い発音になります。

・イタリアのリーグは基本的に各リーグをアルファベットで表記して区分けしており、2部リーグはセリエB、3部リーグはセリエCと表記されます。

・現在のセリエA(1部リーグ)は20チームによって構成されており、8月から来年の5月までの間に各クラブが総当りのホームアンドアウェイのゲームをシーズン合計で38ゲーム行い、ポイントの合計で最終的な順位が決定されます。

セリエAは、UEFAが発表しているリーグランキングで上位にランクしているので、上位から4つのクラブが欧州最高の大会であるUEFAチャンピオンズリーグへの参加権を与えられることになります。

・更にカップ戦の優勝チームと5位のチームにはUEFAヨーロッパリーグ、6位と7位のチームにはUEFAカンファレスリーグへの参加資格が与えられます。

・もし、カップ戦の優勝チームが上位の4チームのどれかであった場合は、6位のチームが繰り上がってUEFAヨーロッパリーグに参加することになります。

・逆に下位から3番目までのクラブは2部リーグに降格し、入れ替えで2部の上位から3つのクラブが1部に昇格することになります。

・優勝チームにはトロフィーが授与され、国内カップ戦の勝者と争われるイタリアスーパーカップへの参加資格が与えられます。

セリエAのタイトルは、スクデットという異名で呼ばれることがあります。

・これはイタリア語で小さな盾を意味している言葉であり、優勝したチームが次のシーズンにトリコロールの紋章をユニフォームに付けることに由来しています。

・このスクデットを10回獲得すると、その都度、星(ゴールドスター)を1つクラブのエンブレムロゴに付けることが許可されるようになります。

・現在まで星を冠しているのは、「インテルミラノ」と「ACミラン」と「ユヴェントス」の3チームだけであり、優勝回数が30回を超えるユヴェントスは3つの星を付けています。

 

(右から左)コッパ・イタリア、イタリアスーパーカップ、セリエAタイトルの優勝カップ

 

歴史

セリエAの最初のシーズンは、1929年に開始されました。

・それ以前のイタリアサッカーリーグは、各地域と地域間のラウンドによって争われてる大会があり、それらが統合されて全国リーグとなったのが現在のセリエAの始まりとされています。

・今日に至るセリエAの歴史の中でも特に大きな実績を残したクラブである「インテルミラノ」、「ACミラン」、「ユヴェントス」の3クラブはイタリアのビッグ3と呼ばれています。

 

1929年のトリノFC

 

・「ユヴェントス」は現在までに36回のスクデットを獲得しており、イタリア国内で最も多くのリーグ優勝を果たしたクラブになります。

・「ACミラン」はヨーロッパ最高峰の舞台のUEFAチャンピオンズリーグでイタリア最多となる7回の優勝を果たしており、セリエAのクラブで最多の国際タイトルを獲得しているクラブであります。

・「インテルミラノ」は90年を越えるリーグの歴史で1度も降格経験がない唯一のクラブであり、イタリアの歴史上で初のトレブル(3冠)を達成しています。

 

1971-72年のACミランとカリアリのゲーム

 

セリエAは歴史的に北部のチームが中心であり、スクデット(リーグタイトル)の獲得回数もほとんどが北部のチームによって独占され、南部のクラブが優勝することは稀になっています。

セリエAは構成されるクラブの枠組みが、時代ごとに頻繁に変更されることで有名であります。

・設立当初は18チームによって運用されていましたが、後に16チームに削減され、後に再び18チームに戻されました。

・その間、特別措置として20チームに増加されたことがあります。

・その後も増減を繰り返しながら、現在の方式になったのは2003年からでした。

 

 

まとめ

・イタリアのクラブは伝統的に守備が堅く、ディフェンスを重要と考える戦術的なリーグとして認知されています。

・イタリアではウノゼロ(1-0)の文化と呼ばれるものがあります。

・イタリアのことをカルチョの国、カルチョのサッカーなどと呼ぶことがありますが、これはイタリア発祥のサッカーによく似た競技に由来しています。

・そのため、イタリアのリーグは得点が入りにくく、点を取り合う打ち合いのゲームが見たいファンからはつまらないリーグとして批判されることが多々あります。

・一方、イタリアのサッカーは戦術的にレベルが高く、戦術合戦のような試合を好む人たちからは人気がある傾向もあります。

・実際に「カテナチオ」や「ゾナ・ミスタ」、「ゾーナルプレス」などの有名な戦術は、その多くがイタリア発祥とされています。

・現在も多くの優秀な監督たちが、様々な戦術の実験を行い、知略を駆使して競い合っています。

・セリエAは単なる人気と伝統のあるリーグというだけでなく、サッカーという競技の戦術における発展の歴史を語る際に重要な役割を持っている聖地であり、特別な場所であり続けています。