今、欧州で最も熱いリーグ? リーグアンについて解説します

記事

始めに

リーグアン(Ligue1)は、フランスのプロサッカーリーグの中でトップ部門を指す言葉になります。

・正式名称はスポンサーの名を冠したウーバーイーツリーグアンであり、フランスで最も長い歴史を持つプロリーグでもあります。

・今回はそんなリーグアンについて取り上げてみたいと思います。

 

 

概要

リーグアンフランスサッカー協会によって管轄され、運用されているリーグになります。

リーグアンは、合計20のクラブチームによって構成されており、下部リーグであるリーグ2(Ligue2)との間の昇格と降格のシステムで運営されています。

・リーグが行われるシーズンは、他のヨーロッパの国々と同じく8月から5月であり、各クラブはリーグ内の他のチームとそれぞれ2ゲームずつ行います。

・1つは自分たちのホーム(ホームゲーム)であり、もう1つは相手チームのホーム(アウェイ)ゲームで行われます。

・リーグ戦は合計38ゲームが行われ、ほとんど週末に開催日が設定されていますが、まれに平日の夜に行われることもあります。

・クリスマス前の約2週間は休暇のためにリーグが中断され、年始の第2週から再開されます。

・合計で最も多くの勝ち点を稼いだクラブがチャンピオンとなり、優勝トロフィーであるHexagoalが授与されます。

 

リーグアンは基本的にはフランスのクラブで運用されていますが、特例としてフランス領であるモナコのクラブも参加しており、国境を挟んだ競争になっています。

 

ASモナコのフラッグ

 

リーグアンUEFAが発表しているリーグランキングで上位にランクしているので、上位から4つのクラブが欧州最高の大会であるUEFAチャンピオンズリーグへの参加権を与えられることになります。

・更にカップ戦の優勝チームと5位のチームにはUEFAヨーロッパリーグ、6位と7位のチームにはUEFAカンファレスリーグへの参加資格が与えられます。

・もし、カップ戦の優勝チームが上位の4チームのどれかであった場合は、6位のチームが繰り上がってUEFAヨーロッパリーグに参加することになります。

・逆に下位から3番目までのクラブは、下部リーグ以降核となり、2部リーグの上位3チームが入れ替わりで昇格することになります。

 

 

 

歴史

リーグアン創世紀

リーグアンの元祖となったリーグは、1932年にナショナルという名前で発足され、その翌年からディヴィジョン1という名称で運用されていました。

フランスサッカー連盟は、リーグの創設に当たり、リーグの定員数を20クラブに限定して参加チームを募集しました。

・この際、重要な基準としてクラブの財政、選手の雇用等の連盟が定めた条件をクリアしたクラブのみが参加を認められました。

・20のクラブは10ずつ2つのグループに分けられ、各グループのトップチームが決勝戦に進み、逆に各グループの下位の3チームはディヴィジョン2に降格しました。

・最初のリーグは、「リロワ」というクラブが初のリーグチャンピオンとなりました。

・最初のシーズンは、2部リーグからの昇格は行われず、残ったクラブのみでリーグは継続して運営されました。

 

 

発展

・その後、1935年から現在の制度が導入され、同時に昇格と降格の入れ替え戦も行われるようになりました。

・フランスのトップリーグは2002年までディヴィジョン1の名前で運用されていましたが、その年にリーグの名前が変更され、一般の公募で集められた中から選出されたリーグアンという名称になりました。

・この名称は現在でも使われています。

・リーグの名称変更と同時にトロフィーも変更されましたが、最初のトロフィーは5年間だけしか使われず、現在のものにとって代わりました。

・フランスで最もおきな成功を収めたのは、「ASサンテティエンヌ」であり、これまでに10回のリーグタイトルを獲得しています。

 

2020-21シーズンの優勝チームであるリール

 

特徴

リーグの評価

リーグアンは、長い歴史と伝統を持つリーグでしたが、その歴史に反してヨーロッパの国際舞台では目立った成績を残せてはいませんでした。

・過去にリーグアンのクラブで、ヨーロッパ最高峰の舞台であるUEFAチャンピオンズリーグを制しているのは、「オリンピック・マルセイユ」だけになります。

・そのため、リーグアンは、他の欧州の主要リーグに比べて、人気や評価はいま一つな部分がありました。

・しかし、近年はリーグアンのクラブが競争力をつけてヨーロッパの舞台でも好成績を残したことで、リーグ自体が各国のリーグランキングで上位につけることが多くなりました。

リーグの転換

リーグアンが近年、大きな注目を浴びている理由は、なんと言っても「パリ・サンジェルマン」の存在があるでしょう。

・2010年代にカタール資本のバックアップを得た同クラブは、大型補強を繰り返して、瞬く間にフランスのみならずヨーロッパでも屈指の強豪クラブへと変貌を遂げました。

・2020年には惜しくも優勝は逃したものの、クラブの歴史で初となるUEFAチャンピオンズリーグの決勝に進出しました。

・今年にも更なる大型補強を敢行して、「レアル・マドリード」からキャプテンだったラモスを、更に「FCバルセロナ」からメッシを獲得したことでも話題となりました。

 

プーマ製のリーグ1で使用されたボール

 

まとめ

・「パリ・サンジェルマン」の手法には、賛否両論を含めた様々な意見がありますが、彼らの存在がリーグアンを活性化させてリーグ自体の人気と競争力の向上に繋がっていることは疑いようのない事実であります。

・それを証明するように、近年では「パリ・サンジェルマン」以外の他のフランスのクラブがヨーロッパの舞台で好成績を残しています。

・直近では、16-17年に「ASモナコ」が、19-20年に「オリンピック・リヨン」がUEFAチャンピオンズリーグで準決勝進出を果たしています。

・近年、着実に力を付けつつあるリーグアンの各クラブたち、リーグアンから久しぶりにヨーロッパチャンピオンとなるクラブが現れる日もそう遠くはないかもしれません。