世界最古歴史を誇る国際大会 コパ・アメリカの歴史と概要

記事

始めに

コパ・アメリカは南米の国の代表チームによって争われるサッカーの国際大会です。

・正式名はCOMEBOLコパ・アメリカであり、COMEBOL(南米サッカー連盟)が大会を管轄して運営しています。

・元々は南米の頂点を決めるために南米の国だけで争われる大会でしたが、南米はアジアやヨーロッパに比べて国の数自体が少ないこともあり、近年は大会を盛り上げるための招待枠として、南米の国以外の代表チームも参加しています。

・我らが日本代表も2019年にブラジルで開催された大会に参加していたので、記憶に新しい方も多いと思います。

コパ・アメリカは現存する大陸選手権の中では最も古い歴史を持っており、オリンピックに次いで最も古いサッカーの国際大会です。

・今回はそんなコパ・アメリカについて取り上げたいと思います。

 

コパ・アメリカの優勝トロフィー

 

概要

・日本では南米選手権の名で呼ばれるコパ・アメリカが最初に開始されたのは、1916年のことでした。

・1916年にアルゼンチンが自国の独立100年を記念して、いくつかの南米の国々の代表チームを招待してサッカーの大会を開催しました。

・これが最初のコパ・アメリカの原型となった大会とされています。

・このときに参加したのは、開催国のアルゼンチンとウルグアイ、ブラジルとチリの4カ国でした。

・このときはウルグアイが記念すべき最初のチャンピオンとなっています。

・この試合が話題となり、大きな成功を収めたことで、この成功を見たウルグアイのサッカー協会が参加した国の協会を集めて連合を結成しました。

・そこに他の南米の国々も加わり、やがて大規模な連盟の発足に繋がります。

・こうして大会は継続して行われることになり、ワールドカップが開催されるまで、世界最大のサッカーの国際大会として大きな注目を集めました。

・しかし、大会はその後大きな混乱が起こり、存続自体が危ぶまれることになります。

・アルゼンチンとウルグアイの政治的な対立により、大会は中止され、何年も開始されない期間もありました。

・両国の政治状況が安定して、大会が再開された後も開催される期間は不定期であったり、大会ごとにルールが大幅に変更されたりするなどしました。

・1975年に大会のルールが大幅に変更され、特定の国で大会を行うのではなく年間を通じて代表チームが各国で争われる方式になりました。

・更に当時は南米サッカー選手権という名前だった大会でしたが、大会の方式が変わる際に現在の南米選手権に変更されました。

・しかし、この方式は評判があまりよくなく、南米サッカー連盟は再び特定の開催国で短期間にトロフィーを争うトーナメント方式に変更しました。

・1987年、ルール変更後にアルゼンチンで最初の大会が行われ、それからは現在まで同じ方式で大会は続けられています。

 

 

特徴

コパ・アメリカの最大の特徴は、その独特な南米サッカーを見れるということでしょう。

・南米は昔から並外れた個人技に秀でた素晴らしい選手を多数、輩出する地域として認知されており、同じくサッカーが盛んなヨーロッパと比較して、個の南米、組織のヨーロッパなどと云われたりします。

・比較的、戦術と組織を重要と考えるヨーロッパに比べて、南米は選手個々の技術に重きを置いている部分があり、戦術やフォーメーションも選手の力を最大限に発揮させるために逆算して、構築するチームが多い傾向にあります。

・更にコパ・アメリカは、比較的番狂わせが起こりやすいという大会です。

・南米の強豪国と云えばブラジル、ウルグアイ、アルゼンチンをあげるファンの方は多いでしょう。

・これらの国はいずれもワールドカップでの優勝経験があり、コパ・アメリカでも並外れた成績を残しています。

・2021年の現在までにブラジルが9回、ウルグアイとアルゼンチンがそれぞれ大会最多となる15回の優勝を果たしています。

・しかし、実績があるこれらの国であっても簡単に優勝できないのが近年の大会です。

・最近では、ウルグアイ代表やブラジル代表が予選を通過できず、そのまま大会を去るということもありました。

・強豪国であっても油断すれば簡単にやられしまうほど、各国の実力が拮抗しているといえます。

・更に南米はアジアや欧州に比べて国自体の数が少なく、各国が様々な大会の予選や本大会で対戦することも多いです。

・そのため、どの国も対戦する相手の手の内をよく知っているということも背景としてあるのでしょう。

 

 

まとめ

・今年は新型ウイルスの影響もあり、直前に開催地が変更されるというアクシデントもありましたが無事に大会は開催され、アルゼンチンが久しぶりにチャンピオンとなりました。

・次の大会は、3年後の2024年に開催が予定されています。

コパ・アメリカには世界最古の大陸選手権の伝統が、現在でも脈々と息づいています。

・サッカーファンのみならず、南米で暮らす人々にとってもこの大会は特別な意味を持っています。

・今後も南米各国の維持と誇りがぶつかる熱き戦いを目撃しましょう。