アジア最強国を決める戦い アジアカップについての解説

記事

始めに

AFCアジアカップは、アジア各国のサッカー代表チームによって争われるサッカーの国際大会になります。

・正式な大会の名前は、AFCアジアカップであり、アジア各国のサッカーにおける頂点を争う大会として大きな注目を浴びます。

・アジアは国の数が多いので、アジアカップに参加する代表チームの数も各大陸の選手権の中で最多となります。

・サッカー日本代表もアジアカップに参加しているので、大会が日本で放送される機会も多く、日本のサッカーファンにとっても馴染みのある大会だと思います。

・今回はそんなアジアカップを取り上げてみたいと思います。

 

 

概要

 

 

AFC(アジアサッカー連盟)とOFC(オセアニアサッカー連盟)

アジアカップAFCと呼ばれるアジアサッカー連盟によって大会の運営がされています。

AFCとはアジア各国のサッカー協会が集まった組織であり、アジアのサッカー界において大きな権限を有しています。

・通常、日本はアジア、ブラジルは南米といったようにそれぞれの国はそれぞれの地域を管轄する連盟に所属しています。

・ただアジアは面積も広く、国の数も多いです。

・読者の皆様もアジアカップワールドカップのアジア予選を見ていて、サッカーオーストラリア代表が参加しているのを知っている方も多いと思います。

・オーストラリアはアジアじゃなくてオセアニアではないかと思った方もおられると思いますが、それはオーストラリアのサッカー協会が辿った歴史に関係しています。

・オーストラリアサッカー協会はかつてOFC(オセアニアサッカー連盟)に所属していましたが、2006年にOFCを脱退して、新たにAFCに加入することが発表されました。

・これがFIFA(世界サッカー連盟)にも認められたことで、オーストラリアサッカー協会は正式にAFCの加盟国と認められ、それからのオーストラリア代表はアジアカップやアジアの予選に参加することになりました。

・逆にAFCから離脱したケースもあります。

 

・かつてイスラエルサッカー協会AFCに所属しており、サッカーイスラエル代表はアジアの代表として、ワールドカップに出場したこともあります。

・その後、様々な理由からサッカーイスラエル協会がAFCを離脱(事実上の追放)してUEFA(ヨーロッパサッカー連盟)に加盟したので、現在のイスラエル代表はヨーロッパで戦っています。

・それ以外にもトルコのようにアジアとヨーロッパの両方の地域に属している国もあり、その場合はその国の協会が加盟する連盟を決定します。

・トルコの協会は現在はUEFAに加盟しています。

・このように例外的に他の地域に所属したり、あるいは他の地域からAFCに加盟している例もあります。

・以上のことを鑑みるにアジアカップは、アジアの地域で争われる大会というより、AFCに加盟している地域の代表によって争われる大会と表現するのが正しいといえるでしょう。

 

アジアカップの優勝チームに贈られる優勝カップ

 

大会の歴史

AFCの結成と大会の創設

AFCアジアカップは1956年に最初の大会が開催されました。

・大会の創設の経緯は、その2年前まで遡ります。

・1954年にフィリピンでAFC(アジアサッカー連盟)が結成され、アジアの各地域の中から12カ国が参加しました。

・連盟の発足から2年後に、加盟国から7カ国が参加して、最初の大会が開催されました。それが現在まで続くアジアカップの最初の大会になります。

・最初の大会の開催地に選ばれたのは、当時、英国領であった香港でした。

・それから4年に1度の期間で大会が開催され、回数を経るごとに参加国も増え、大会の規模も大きくなっていきました。

・我らのサッカー日本代表は、自国開催となった1992年に初めて参加しています。

・2004年までは偶数の年に大会が開催されていましたが、2007年からは奇数の年に変更されて開催されることがAFCによって決定されました。

・これはAFCアジアカップが、他の国際大会と競合することを阻止するためでした。

・2019年からは本大会に参加する国も24カ国に増え、より規模の大きい大会へと変わっています。

 

1964年の優勝チームであるイスラエル代表

 

大会の課題

AFCアジアカップは、数多くある大陸選手権の中でも、コパ・アメリカ(南米選手権)に次いで古い歴史を持っている大会です。

・しかし、1990年代に入るまで、大会のレベルはお世辞にも高いとはいえませんでした。

・それはアジア各国のサッカーのレベルが低かったためです。

・その原因はいくつかありますが、最大の要因はアジア各国のプロ化が他の地域に比べて、大幅に遅れていたことが挙げられます。

・他ならぬ日本ですら自国がプロ化を果たしたのは、1990年代に入ってからでした。

・そうした事情もあり、アジアカップは歴史こそあるものの、大会のレベル的にはほぼアマチュアの大会と見なされていました。

・転機が訪れたのは、1990年代に入ってからでした。

AFCが本格的な大会の運営に踏み切ったことや、アジアの各国でプロ化の動きが出てきたことで大会のレベルも大幅に向上しました。

・近年ではアジア代表が、ワールドカップでも本大会で活躍を収めるなど、着実に力をつけてきています。

・それに伴いアジアカップのトロフィーをめぐる争いも激化しています。

 

 

最後に

アジアカップは大会の歴史こそ古いですが、大会自体の評価はまだまだ他の大陸選手権に比べて高くはありません。

・アジアは他の地域に比べて移動距離も広く、日程面や政治的に様々な問題があることも事実です。

・ただ、大会を重ねるごとに着実に大会のレベルが上がってきていることも事実ですし、アジアに属する日本代表にとって重要な大会であることは変わりません。

・近年のアジアカップにおいて日本代表は苦戦を強いられ、2大会連続で覇権を逃しています。

・次の大会では日本代表が再び大会を制覇することを期待しましょう。

・今後もアジアカップから目が離せませんね。